任意売却マニュアル 4

 不動産仲介業者用 任意売却マニュアル

 ○相談・面談 その2

■ 預貯金・返戻金のある保険等の資産

ローンの返済が滞っているのに預貯金が残っているケースはとっても稀ですが、この点も十分に聞き取ることが必要です。 任意売却後、転居先の敷金や保証金・引越費用等が必要になりますが、転居先の敷金や保証金等は売主さんがご自身で準備することになります。 債権者が引越費用を認めてくれることもありますが、基本的には引越費用は出ないと考えたほうが賢明です。 債権者に引越費用を申請し認めてもらえた場合でも使途確認のために領収書が必要となります。

また、返戻金のある保険等もほとんどの方が解約済みですが、この点も確認しておきましょう。

 

■ 連帯債務者・連帯保証人・保証人等利害関係人

借入に際して夫婦や親子で所得合算した場合は連帯債務者になっています。 悲しいことにマイホームを購入する時に支払いが困難になることを予想する方はゼロです。 家族団欒幸せに暮らしていたけれど、各々の事情で離婚した場合、離婚届けを役所に提出すれば婚姻関係は解消しますが、連帯債務は絶対に解消しません。

借入に際して保証人(連帯保証人)がいる場合は特に注意が必要です。 不動産業界のみなさんは民法も勉強しているので当たり前に知っていることですが、連帯保証人には催告・検索の抗弁権(民法・第454条)はありません。 売主様(主債務者)と同等の支払い義務があることはご存知ですね。 不足の残債務を一括返済できれば任意売却では無く通常の取引です。 任意売却の場合は残債務一括返済できる保証人はいません。

任意売却を進めるにあたっては保証人(連帯保証人)にも十分に説明し進めることが必要です。 債権者によっては担保解除の際、保証人(連帯保証人)から同意書提出を要求されることもあります。

 

■ 任意売却後の計画 

任意売却を行う当事者は精神的にも疲れている方が多く、連絡が取れにくい方が多いのが現実です。 そこで任意売却完了後の生活設計相談、整理、提案することで当事者の方々は安心し、担当者さんとの信頼関係が築かれてゆくことにより、任意売却手続きをスムーズに進めることが可能になります。

当事者の状況により①残債務を長期分割で支払う方法や②一時金で和解する方法③個人民事再生④破産手続き等々を各々のメリットデメリットを説明し、当事者の希望に最も適したゴールを考えます。

注意!不動産の売却業務に関わる相談を受けることに問題はありませんが、債権者に対する残債務の交渉等々(処理方法)については一切受けてはいけません。 これは非弁行為(弁護士法違反)となります。 当事者だけでは難しいケースは弁護士や法テラスの紹介を検討します。

 

■ 全ての所有物件 

当事者(保証人含む)の所有不動産を全て把握しておくことが重要です。 例えば残った債務の長期分割弁済を希望する場合や差押解除の場合、売却物件以外を担保に差し入れることにより任意売却進めることができる場合があります。

また、保証人がある場合は任意売却後の残った債務は当然に保証人に対して請求されます。 その際に保証人が所有する不動産が無担保の場合や借入が残っていても売却すれば余剰がある場合、債権者からの保証人に対する請求はやさしくありません。

 

■ 相談・面談時に当事者にご用意いただくもの

①全ての借入がわかるもの (住宅ローン償還明細等全て)

②登記済権利証書

③全部事項証明 (共同担保目録付)

④マンションの場合 → 管理費・修繕積立金等明細、管理規約

⑤その他 → 督促状、催促状・差押予告等々

登記済権利証書を紛失しているケースが多々あります。 確実に確認しましょう。 通常の取引とは異なり、簡単に取引期日の延期はできません。 延滞損害金や日割清算金が変わることにより担保抹消ができなくなることがあります。 任意売却は関係者が多く、取引期日に決済ができないとなると仲介業者(担当者)の責任は重大です

 

不動産任意売却に関わる仲介業者の営業のみなさんへ 

任意売却は関係者が多く権利関係が複雑に絡んでいます。案件ごとに解決事案が異なるために途中で投げ出したくなることが多々あります。 そんな時は、私達を思い出してください。 不動産任意売却に関わる、あんなこと、こんなこと、『どうしようか?』『どうしたらいいのかな?』『誰に聞けばいいのかな?』・・お電話でのご相談、メールでのご相談、何なりとご相談ください。 

任意売却に携わる仲介営業の信頼度向上とスキルアップのお手伝いさせていただきます。

 

 


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